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バイコットは買う(BUY)とBOYCOTT(ボイコット=不買運動)を組み合わせた造語。不買運動ではなく、購入することで地球環境やSDGsに貢献しようとする運動のことです。
バイコットとは?
「バイコット(購買運動)」という言葉を知っていますか?
BUYCOTT(バイコット)とは、買う(BUY)とBOYCOTT(ボイコット=不買運動)を組み合わせた造語で、非倫理的な企業の商品を買わない不買運動ではなく、購入することで地球環境やSDGsに貢献しようとする運動のことです。
「バイコット」って最近よく聞く「エシカル消費」なの?
バイコットの歴史を見てみましょう。イギリスでは1980年代にボイコット(不買運動)の情報誌として雑誌『Ethical Consumer』が発行され、「エシカル消費(倫理的消費)」という言葉が生まれました。
その後、1990年代には倫理的な企業の製品を積極的に選択して買うバイコットが広がっていきました。
「エシカル消費(倫理的消費)」とは、消費者それぞれが社会的課題の解決を考慮して購入や・消費をしたり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行なったりすることです。
一方、「エシカル」という言葉は実は欧米では1980年代頃から「エシカル消費」「エシカル活動」という表現で使用されるようになっていました。
エシカルとはその意味は、労働者の人権に考慮した労働環境づくりや、企業が地球環境・資源の有限性を意識してた企業活動を行っているかどうかをどうかの情報を、消費者自身のも商品を購入・使用する際の判断基準とするは意識して自ら選びましょう、という社会理念の標語として定義されました。のようなものでした。
しかし、1997年に国際外交に関するスピーチの中でブレア英元首相は「犠牲の上に豊かさが成り立ってはならない」「国と国の単位から、個人と個人の関係で考えるべき」と述べ、「これからは『エシカルアプローチ』が重要」だと発言しました。
このスピーチにより、「エシカル」が一部の理想理念ではなく、「発展途上国と先進国の関係」「労働者の人権問題」「地球規模での自然環境の持続性」についての国際的な目標とすべき理念として捉えられるようになり、これらをの含む目標がSDGsとして掲げられています。
これは、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールのうち、特にゴール12に関連する取組みです。
つまり、「バイコット」はエシカル消費の一つの形であると言えます。
サブタイトル:実際の事例
(写真=Unsplash)
企業の行なっている取り組みをいくつか紹介していきます。
国際フェアトレード認証のついたチョコレートを「森永チョコレート〈1チョコ for 1スマイル〉」として販売しています。
2004年には持続可能な調達のガイドライン「C.A.F.E.プラクティス」を作成しました。エシカルなコーヒーの調達100%の達成を目指し続けて活動しています。
近年の自身の購買行動を通じて社会貢献したいという意識の高まりに応えた商品です。不要になった衣料の多くが焼却ゴミとして処理されていることに課題意識を持ち、廃棄衣料をアップサイクルした素材を取り入れたノートカバー、ツールポーチ、メモカバーを販売しました。
「バイコット」のすすめ
今回は「バイコット」とは何なのか、そして普段の生活で意識できるように実際の取り組みを紹介してみました。多くの生産者、販売者がバイコットにつながるエシカル商品の開発・流通に取り組んでいます。
ある社会問題に対して興味や解決したいという想いがあっても、問題の解決方法が分からなかったり、声をあげることが難しかったりという方も多いのではないでしょうか?
買い物という身近な行為から自分の意志を表明するバイコット。ちょっとした意識と選択だけで社会問題には関心があるけれども何もできていない状態から一歩先に進んでみませんか。
執筆者:森青花/Aoka Mori
編集者:原野百々恵/Momoe Harano